人間交差点1

 

先日乗せたお客さんとのやりとりです。


時間は深夜1時頃です。


歳は30代後半くらいのきれいな女性でした。


着こなしもそこそこオシャレです。


でも酔っ払っていました。


私が路肩に車を停めて飲物を買おうと外に出たら、「運転手さんお願い」と声をかけてきた女性でした。


すぐに運転席に戻ろうとすると、私、酔っているから、いいの、どうぞ、用をたしてくださいませ、と話す。
こうなったらその女性にしたがった方がいいのだ。


急いで缶コーヒーを買って(銘柄をじっくり悩みたかったがそんな余裕はなかった)運転席にもどる。
行き先を尋ね、出発。


お客さんは後部座席で鼻歌交じりでご機嫌そう、


良かった。



2〜3分後、お客さんが「運転手さん、変な話してもいい?」と聴いてくる。


「いいですよ、なんでも言ってください。」と私。


「実は、今日、会社のかなり年下の男の人と待ち合わせて飲む予定だったの、

でも、いくら待っても来ないのよ、3時間も待ったわ、

途中で電話したんだけど、あれ、今日だっけ、今日はまずい、とか言ってんの、

なんか、話がよく合わないんだよね、最近の子ってどういう感覚なのかしら、」

おかげで一人で飲んじゃったー、いい気持ち」

とこんな感じ、



黙ってうなずいて聴いてあげることも大事なのです。




タクシーの運転手などお客さんにとってそれこそストレスなしで本音を言える、いや吐き出せる
最高のステージだ。


人は何を人に求めているのだろう、


お客さんの降車地点まで10分くらいか、終始ご機嫌で目的地。


世の無常は尽きることなし。


人間交差点


このシリーズはまだたくさんあります。

今後も書くかもしれません。


お楽しみに、