あふれる命

今日、所要を済ませた後、一人で考えたかったので、カッコよく言うと瞑想したかったので、ありていに言うとボーっとしたかったので近くの港へ海を見に行った。


別にここへは家からさほど遠くもないので、年に何回かは来る。


いつもはこんなことは感じないが、今日は海に近づくと無性に海の中を見たくなった、デカい魚でも泳いでいて、私と目が合わないかなと思ったからだ。
普段はこんなこと思いもつかないが、今日は突然、そんな思いが頭をよぎった。


出来れば巨大魚がこんな近海を泳いでいて、私と目が合わないかなと、
そんな不思議体験したいかなっと、


海と言ってもここは人口の海岸が造られており、100メートルくらい砂浜が続いている。
その端はコンクリートの防波堤が突き出ており、その下にはお決まりのテトラポットが沈めてある。


その端から海の中を覗き込んだ。
普段は海の色は黒く、1メートルも下は見えない。
しかし今日はどちらかというと透明度が高く、1メートル程度は海中が見えた。


驚いたことに、さすがに巨大魚はいなかったが、30cm〜40cm程度の細長い、でもしっかり太った魚が、それこそ今が旬の秋刀魚ではないが、そのような魚が一匹悠然と漂っていた。
コンクリートの白がその魚を映えさせるのでよくわかる。


水深数十センチをである。
時折、背びれが海上に出るくらいだ。


よく見ると、その近くを20cm程度の小さくはないが小ぶりの魚、その魚とは種類が違うが5匹程度群れをなして、泳いでいる。


数分間その魚と小さい魚たちを見つめていた。


さらに数十メートル先の海面に目をやると石を投げ込んだ時のような波紋が出来ている。

何だろうとしばらく見ていると、これも驚いたことにこっちはさらに大きく長さ40cm〜50cm位の細長い魚が海面から50cm程度飛び跳ねている。
なんと元気が良いのだろう。


広範囲に亘って注意して見ていると何回か、飛び跳ねている。1〜2秒の出来事だから、目を皿のようにしてどこから来るかと注意してないと決定的瞬間は目視できない。
注意を怠ると飛び込んだ後の波紋だけ見ることになる。




 

それでも何回かその瞬間を見ることができた。


こんな近くで、普段見ないところで命があふれていたのだ。


普段気付かないところで、実は大切な命がこの世にはあふれているのである。



もっと大きな空間でいろいろな命を感じてみたいと思う。